去年の春、桜を見に京都へ行こうとして見事に撃沈した。嵐山のホテルは3ヶ月前でもう空きゼロ、妥協して取った河原町のビジネスホテルは1泊2万5千円。チェックインの列に並びながら「もう春に有名観光地はやめよう」と本気で誓ったのが、この記事を書いている理由だ。
2026年の春、同じ失敗を繰り返したくない人のために、ここ数週間いろんな予約サイトを眺めて気づいたことを正直に書いていく。結論から言うと、今年の穴場は「朝ドラ効果で人が動き始めているけど、まだ海外勢が気づいていないエリア」と「関東近郊のちょっと渋めの宿」の2つに絞られると思う。
山口・島根エリアが今ちょっと面白い
島根県の松江は、朝ドラ「ばけばけ」の舞台として去年の秋からじわじわ注目されている。ただ面白いのは、松江そのものよりも、その西側、つまり山口方面まで足を伸ばすパターンだ。萩や長門湯本温泉は、インバウンドがまだほとんど入ってきていない。私が3月中旬に長門湯本の「大谷山荘」を見たとき、1泊2食付きで3万円前後。同じグレードの宿を箱根で取ろうとしたら平気で4万を超える。
萩の城下町は、京都の先斗町みたいに観光地化されすぎていないのが良い。夏みかんの季節でちょうど町が黄色くなる頃だし、松陰神社まで歩いても誰もいない時間帯が普通にある。写真を撮るのが好きな人には本当におすすめしたい。
熱海の仙石原は「今さら」じゃない
熱海と言うと「団塊世代の温泉地でしょ?」と思っている人が多いけど、ここ2〜3年で宿のリニューアルがかなり進んでいる。特に仙石原エリアの小さめの旅館は、若いオーナーが継いだり、経営が変わって内装を刷新したところが増えた。
個人的にびっくりしたのは、部屋食付きで1泊2万円台の宿が意外と残っていること。同じ条件で箱根湯本を探すと最低3万5千円スタートだから、体感で1万円くらい違う。しかも東京駅から新幹線で50分、在来線でも1時間半だから金曜の夜に出発しても余裕で間に合う。
注意点を一つだけ挙げると、熱海駅前から仙石原方面へのバスは本数が少ない。タクシーで2500円くらいかかるので、そこは事前に覚悟しておいた方がいい。私は去年、知らずに駅前で30分待ってイライラした。
グランピングは「子連れ」だけのものじゃない
最近、夫婦2人でグランピングに行ったという友人が何人かいて、話を聞いていて価値観が変わった。私はずっと「グランピング=ファミリー向け」だと思っていたけど、平日に行けば貸切状態に近いらしい。
特に長野の蓼科や、千葉の南房総あたりは、天然温泉付きのサイトがあって、しかも4月中旬から5月頭の平日ならGW直前の駆け込み値上げ前で1人1万5千円台で泊まれる。星を見ながらサウナに入れる宿もあって、都会の喧騒から離れたい人にはちょうどいい。
ただ正直に言うと、私は去年の冬にグランピングに行って、思ったより寒くて後悔した経験がある。4月でも山間部は夜が冷えるので、ダウンは1枚持って行った方がいい。これは本当に経験談だ。
予約のタイミングは「4月中旬以降」が狙い目
桜の見頃が過ぎた4月中旬からGW前までの2週間は、需要が一気に落ちる時期。ここを狙えば、本来3万円台の宿が2万円前後で出ていることがよくある。私は毎年この時期に「直前割」タグで検索することにしている。
具体的には、一休.comとじゃらんで同じ宿を見比べるのが鉄則。同じ日程でも数千円違うことがあるし、ポイント還元率も違う。面倒でも必ず2サイト見てから予約した方がいい。これは5年間旅行を繰り返して学んだ、地味だけど一番効く節約術だと思う。
最後に一つだけ
春の旅行は「絶対にここに行きたい」と決め打ちするより、「この週末は空いてるから、どこか行ける宿ないかな」くらいのゆるい気持ちで探した方が、結果的にいい宿に出会える気がする。去年、私が一番良かったのは、予約前日に偶然見つけた房総の民宿だった。名前も知らなかったけど、女将さんの作る伊勢海老の味噌汁が今でも忘れられない。
実は穴場な「道後の奥」と「三朝温泉」
もう少しマイナーな話をすると、愛媛の道後温泉は有名すぎるけれど、その奥にある「奥道後」エリアは全然知られていない。同じ松山市内なのに雰囲気がガラッと変わって、川沿いに並ぶ宿は平日なら2万円台で取れる。道後本館の混雑を避けたい人には、こちらが本命だと思う。
鳥取の三朝温泉も、2026年に地味に注目したいエリアだ。ラジウム泉で有名なのに、観光地化が最小限で、駅前に飲食店が数軒しかないくらい静か。夜になると川の音しか聞こえない環境で、デジタルデトックスしたい人には本当にいい場所だと思う。私は去年の秋に1泊したけれど、スマホを開く回数が激減して、逆に驚いた。
交通費を削る地味な工夫
宿代を頑張って下げても、交通費が高いと結局トータルで損することがある。これも去年の反省点で、新幹線の正規料金で往復したら宿代より交通費の方が高くなった週末があった。情けない話だ。
今は、2月くらいから「えきねっとトクだ値」と「新幹線eチケット」の早割を迴いかけている。山口方面なら、東京から新山口まで片道5千円くらい差が出ることもある。平日出発なら割引率がさらに上がる傾向があるので、金曜の夕方より土曜朝の方が安いパターンもある。これは一度調べてみる価値はある。
あとは、意外と盲点なのが「空港アクセスのLCC」。広島空港や山口宇部空港行きのピーチやジェットスターは、2ヶ月前なら片道6千円台で出ることがある。3人以上で行くなら車で行くより安い計算になることも多い。
持っていくと後悔しないもの3つ
旅慣れている人には当たり前かもしれないけど、意外と忘れる物を3つだけ挙げておく。まず、チェックアウト後の荷物預かり用の大きめのエコバッグ。宿のフロントに預ける時、スーツケースより小分けできるバッグの方が便利だ。
次に、モバイルバッテリー。地方の駅はコンセントが少なくて、Googleマップを開きっぱなしだと昼過ぎに電池が切れる。去年、山陰本線の駅で充電できずに焦った経験がある。
最後に、小さめのジップロック。お土産に買った地元のお菓子や、濡れたタオルを入れるのに万能で、1袋10円で安心が買える。本当にこれは毎回助かっている。
宿選びで失敗しないための小さなコツ
最後にもう一つだけ、これは私が何度も痛い目を見て学んだ話だ。口コミサイトの星の数だけで宿を決めないこと。星4.8の高評価でも、実際に泊まってみると「部屋はきれいだけど食事がいまいち」「風呂が小さくて芋洗い」みたいな落差があることがある。
対策は一つ、レビュー本文を必ず5件以上読むこと。特に低評価レビューを優先して読むと、その宿の弱点がよくわかる。自分にとって許せる弱点なら予約、許せないなら見送り。この判断ができるようになってから、ハズレ宿を引くことが本当に減った。
2026年の春、皆さんへ
旅は計画が全てじゃない。私の一番思い出に残っている旅は、予約前日に偶然見つけた房総の小さな民宿だった。名前も知らなかったその宿で、女将さんが出してくれた伊勢海老の味噌汁が、今でも記憶の中で湯気を立てている。
派手な観光地に行けなくても、ネットで話題の宿を取れなくても、春の風景と美味しい食事と静かな夜があれば、それだけで十分にいい旅になる。そう思えるようになったのは、失敗を繰り返したからだと思う。
2026年の春、この記事を読んだ誰かが、どこかの町で良い時間を過ごせますように。もし穴場を見つけたら、ぜひコメントで教えてほしい。次の旅の参考にしたい。


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